「介護職の面接って、何を聞かれるんだろう」
転職を考えて求人を見始めたあと、次に不安になるのが面接だと思います。
志望動機。
退職理由。
夜勤できるか。
介護で大切にしていること。
人間関係のこと。
利用者対応。
いろいろ聞かれそうで、何を準備すればいいのか分からない。
しかも転職回数が多かったり、前職を短期間で辞めていたりすると、
「そこを突っ込まれたらどうしよう」
と不安になる人もいます。
でも、介護職の面接で採用する側が見ているのは、完璧な答えではありません。
私は管理する立場で採用にも関わってきましたが、面接で見たいのは、
この人と現場で一緒に働けそうか。
利用者さんに安心して関わってもらえそうか。
困ったときに周囲と相談できそうか。
そして、長く働いてくれそうか。
このあたりです。
ネットで調べた模範解答をそのまま話すより、
少し言葉が詰まっても、自分の経験から話してくれる人のほうが伝わることもあります。
この記事では、
- 介護職の転職面接でよく聞かれる質問
- 採用する側がその質問で何を見ているのか
- 印象を悪くしやすい答え方
- 退職理由をどう伝えればいいか
- 面接でこちらから聞いたほうがいい質問
- 面接前に準備しておきたいこと
まで、採用側の目線も含めて話していきます。
介護職の面接は「正解を当てる場所」じゃない
面接というと、
「正しいことを答えないと落とされる」
と思ってしまう人がいます。
でも、介護職の面接では、クイズのような正解を求めているわけではありません。
たとえば、
「介護で大切にしていることは何ですか?」
と聞かれたとします。
「尊厳を守ることです」
「利用者本位です」
もちろん悪くありません。
でも、みんな同じことを言います。
それより、
急いでいるときほど、できるだけ利用者さんに一言声をかけてから介助に入るようにしています。
みたいな答えのほうが、その人がどう働いているか想像しやすいです。
採用側が知りたいのは、
あなたが現場でどう考えて、どう動く人なのか
です。
よく聞かれる質問①「前職を辞めた理由は何ですか?」
かなり高い確率で聞かれる質問です。
特に転職回数が多い人や、短期離職がある人は準備しておいたほうがいいです。
採用側が見ていること
ここで見たいのは、
- 同じ理由ですぐ辞めないか
- 退職理由が他責だけになっていないか
- 今回の応募先なら問題が解決しそうか
- 退職理由と志望動機につながりがあるか
です。
たとえば、
「夜勤がきつくて辞めました」
という人が、また夜勤の多い施設に応募してきたら、
「同じことにならないかな」
と思います。
一方、
前職では夜勤回数が多く、生活リズムを維持することが難しくなりました。介護職自体は続けたいので、今回は夜勤回数が少ない職場を探しています。
なら筋が通っています。
人間関係で辞めた場合
これも多いです。
ただ、
「お局が最悪でした」
「上司が使えませんでした」
だけで終わると、印象は良くありません。
事実を隠す必要はないですが、
職員間の情報共有が少なく、相談しづらい環境が続いていました。自分なりに働きかけましたが改善が難しく、次はチームで連携しやすい職場で働きたいと思い転職を考えました。
くらいで十分です。
前職の悪口より、
次はどうしたいか
に重心を置くと伝わりやすいです。
よく聞かれる質問②「なぜうちの施設を選んだんですか?」
いわゆる志望動機です。
ここで、
「家から近いからです」
「給料が高いからです」
でも、本音としては全然おかしくありません。
私も働くなら気にします。
ただ、それだけだと、
「他にもっと条件のいい求人が出たら移るのかな」
とは思います。
採用側が知りたいこと
知りたいのは、
自分の職場について少しでも調べてきたか
です。
たとえば、
「特養で身体介護の経験を積みたい」
「認知症ケアに関わりたい」
「サ高住で生活を支える介護を経験したい」
「前職より利用者さんとゆっくり関われる環境を探している」
こんな理由で十分です。
立派な文章にする必要はありません。
むしろ、
「御社の理念に深く共感し……」
と完璧な文章を話しているのに、その施設についてほとんど知らないほうが不自然です。
よく聞かれる質問③「介護で大切にしていることは何ですか?」
これもよくあります。
ここでは、
「いい介護士っぽい言葉を言わなきゃ」
と思わなくて大丈夫です。
具体的な経験を一つ入れる
たとえば、
利用者さんができることまで職員がやらないようにしています。時間がかかっても、ご本人ができる部分は待つようにしています。
とか、
忙しいときでも、無言で介助に入らないことを意識しています。
こういう答えは、その人の介護観が見えます。
採用側も、
「この人は現場でこういう動きをするんだな」
と想像できます。
よく聞かれる質問④「夜勤はできますか?」
ここは無理に「できます」と言わないほうがいいです。
面接に受かりたい気持ちから、
「夜勤何回でも大丈夫です」
と言ってしまう。
でも入職してから、
「やっぱり月4回までしか無理です」
となると、本人も職場も困ります。
条件は正直に伝えていい
たとえば、
夜勤は可能ですが、月4回程度を希望しています。
子育ての都合で、現時点では夜勤は難しいです。
これで構いません。
採用側も、最初に条件が分かったほうが勤務を組みやすいです。
面接は、
とにかく採用してもらう場所ではなく、お互いの条件を確認する場所
でもあります。
よく聞かれる質問⑤「苦手な利用者さんへの対応はどうしますか?」
ここでは、
「どんな利用者でも完璧に対応できます」
と言う必要はありません。
むしろ現場では、合う・合わないはあります。
大切なのは、
合わないときにどうするか
です。
たとえば、
苦手だと感じたときほど、一人で抱えず他の職員に相談します。どういう声かけなら落ち着くか、周囲の対応も参考にします。
こういう答えのほうが安心します。
介護は一人で全部解決する仕事ではありません。
「困ったら相談できる」
はかなり大切です。
よく聞かれる質問⑥「事故やヒヤリハットの経験はありますか?」
これを聞かれると、
「事故を話したら評価が下がる?」
と思う人もいます。
でも、介護経験が長ければ、ヒヤリハットが一度もない人のほうが珍しいです。
見ているのは事故そのものより、その後
たとえば、
「転倒事故がありました」
で終わるのではなく、
移乗後にブレーキ確認が不十分でヒヤリハットがあり、その後は声出し確認とダブルチェックを意識しています。
という話。
採用側として知りたいのは、
失敗から何を変えたか
です。
失敗を隠すより、振り返れる人のほうが安心します。
よく聞かれる質問⑦「仕事で大変だったことは何ですか?」
ここも経験を話しやすい質問です。
人手不足。
看取り。
認知症ケア。
新人指導。
家族対応。
なんでも構いません。
ただ、
「大変でした」で終わらせず、
「そのときどうしたか」
まで話します。
たとえば、
認知症のある利用者さんの介助拒否が続いたことです。職員によって対応が違っていたため、申し送りで共有して声かけを統一したところ、少しずつ落ち着きました。
こういう話なら、
経験だけでなく、
連携できる人かどうかも見えます。
よく聞かれる質問⑧「将来どうなりたいですか?」
大げさな目標はいりません。
「施設長になりたい」
「ケアマネを目指しています」
でもいいですし、
「まずは今の介護技術をもっと身につけたい」
でも構いません。
採用側としては、
この職場で働くイメージがあるか
を知りたいです。
たとえば、
まずは現場で経験を積んで、ゆくゆくは新人職員を教えられるくらいになりたいです。
くらいでも十分です。
採用する側が「この人と働きやすそう」と思う瞬間
ここは少し面接テクニックとは違います。
私が採用する側として見ていて、
「一緒に働けそうだな」
と感じるのは、必ずしも回答が完璧な人ではありません。
分からないことを素直に聞ける
分からない質問に、
無理に答えようとしない。
「すみません、その点はまだ経験がありません」
と言える。
これは悪い印象ではありません。
現場でも、
分からないのに勝手に判断する人より、
聞ける人のほうが安心です。
人の話を最後まで聞ける
介護はチームで働きます。
利用者さんの話も聞きます。
だから、
質問の途中でかぶせて話す。
全部自分の話にする。
より、
ちゃんと聞いてから答えられる人は印象がいいです。
自分を大きく見せすぎない
「何でもできます」
「どんな利用者でも大丈夫です」
より、
「そこはまだ経験が少ないですが、覚えていきたいです」
のほうが自然です。
介護の現場では、
完璧な人を探しているわけではありません。
逆に、少し不安になる答え方
面接で気になるのは、こういうところです。
前職の悪口が止まらない
退職理由を聞いただけなのに、
10分以上ずっと前職への不満。
これは少し心配になります。
事実は話していいですが、
短くまとめて、次の話に移したほうがいいです。
「特にありません」が多い
「志望理由は?」
「特にありません」
「介護で大切にしていることは?」
「特にありません」
これが続くと、
本当に働きたいのかな?
とは感じます。
立派な答えはいりません。
自分の言葉で何か一つあれば十分です。
面接に受かるために条件を合わせすぎる
夜勤できます。
土日全部出られます。
残業大丈夫です。
異動も大丈夫です。
本当は無理なのに全部合わせる。
これはあとで続きません。
長く働くためにも、
無理な条件は最初に伝えたほうがいいです。
面接前に求人票をもう一度見てほしい
面接当日までに、応募した求人をもう一度見ておくことをおすすめします。
意外と、
「どんな施設に応募したか忘れている」
人もいます。
最低限、
施設形態。
仕事内容。
夜勤。
勤務時間。
給与。
特徴。
このくらいは確認します。
そして、
「ここが気になった」
というポイントを一つ見つけておく。
それだけで志望動機も話しやすくなります。
面接は「質問されるだけの場所」じゃない
ここはかなり大事です。
面接の最後に、
「何か質問はありますか?」
と聞かれることがあります。
このとき、
「ありません」
で終わるのは少しもったいないです。
転職は、
施設があなたを選ぶだけではありません。
あなたも施設を選ぶ場です。
逆質問で聞いてほしいこと
夜勤体制
「夜勤は何人体制ですか?」
これはかなり重要です。
求人票に書いてないことも多いです。
入職後の教育
「入職後はどのくらいの期間、先輩職員について教えてもらえますか?」
新人教育の体制が見えます。
記録方法
「記録は紙ですか?タブレットですか?」
意外と働きやすさに影響します。
平均的な残業時間
「現場職員の平均残業時間はどれくらいですか?」
聞いて大丈夫です。
希望休
「希望休は月に何日くらい出せますか?」
これも入職後のミスマッチを減らせます。
私なら逆に少し警戒する答えもある
たとえば、
「残業はほとんどありません」
と言われたのに、
見学したら定時を過ぎても職員がかなり残っている。
「有給は取れます」
と言われても、
「ただ、みんなあまり使わないですね」
と続く。
こういう部分は少し気にします。
面接では、
答えそのものだけでなく、現場の様子と一致しているか
を見るのも大切です。
面接で職場の雰囲気を見る
面接に行ったら、施設内を見る機会があるかもしれません。
そのとき、
設備ばかり見ないでください。
職員を見ます。
挨拶してくれるか。
職員同士の話し方。
利用者さんへの声かけ。
忙しそうでも雰囲気が荒れていないか。
面接官が現場職員へどう接しているか。
こういうところは求人票には載りません。
面接が苦手なら転職サービスを使うのも一つ
「面接になると緊張して何も話せなくなる」
という人もいます。
そういう人は、
転職サービスの面接対策を使う方法もあります。
サービスによっては、
よく聞かれる質問。
退職理由の整理。
志望動機。
施設ごとの面接傾向。
などを相談できる場合があります。
特に、
短期離職がある。
転職回数が多い。
人間関係で辞めた。
こういう人は、
面接前に一度言葉を整理しておくだけでもかなり違います。
当サイトでは、
「介護転職サイトおすすめ5選|現場目線で『悩み別』に選ぶならここ」
で、介護職向けの転職サービスを比較しています。
面接対策も含めて相談したい人は、自分に合いそうなところを確認してみてください。
登録したからといって、必ずそこで転職を決める必要はありません。
面接は「受かること」より「入ったあと」を考える
ここは最後にかなり伝えたいところです。
面接前はどうしても、
「採用されたい」
と思います。
だから、
条件を合わせる。
聞きたいことを我慢する。
いいことだけ言う。
そうなりがちです。
でも、
面接に受かっても、
入職後3ヶ月で辞めたら意味がありません。
それなら面接の時点で、
夜勤回数。
休日。
仕事内容。
苦手なこと。
きちんと確認したほうがいいです。
採用側としても、
入職後に、
「聞いていた話と違う」
となるより、
最初から条件を確認できたほうが助かります。
まとめ|介護職の面接では「完璧な答え」より自分の経験を話そう
介護職の転職面接では、
退職理由。
志望動機。
介護で大切にしていること。
夜勤。
利用者対応。
事故経験。
将来のこと。
こうした質問をされることがあります。
でも、
全部に完璧な模範解答を用意する必要はありません。
むしろ採用する側が見たいのは、
この人が現場でどう働く人なのか
です。
経験したこと。
困ったこと。
そのときどうしたか。
次はどう働きたいか。
それを自分の言葉で話せれば十分です。
そして面接は、
施設があなたを判断するだけの場所ではありません。
あなた自身も、
「ここで長く働けそうか」
を見る場所です。
求人票で気になったことは聞く。
施設を見る。
職員を見る。
条件を確認する。
そのうえで、
「ここなら働いてみたい」
と思える場所を選ぶ。
面接に受かることがゴールではなく、入ったあとに無理なく続けられること。
介護職の転職では、そちらのほうがずっと大切だと思います。